☆明side☆
あの日。
『————』
受話器から聞こえた声が、言葉が。
私を奈落へと突き落としていった。
......あの日さえなければな。
そう思いながら見上げた空は曇っていて。
私らしい終わり方だな。と乾いた笑みが零れる。
見慣れた歩道橋から飛び降りる。...はずだった。
なのにぐいっと腕を後ろにひかれて倒れてしまった。
ーーーーーえ。嘘。何が、起こってるの?
私、ようやく解放されると、思っていたのに。いったい誰がこんな事...そう思い振り返って、唖然とした。
ーー綺麗...
作り物かと思うほど綺麗な顔立ち。寸分も狂いがない。
ただ綺麗な瞳は私と同じ「生きる希望がない」人の瞳。
その瞳をみて、おもわず声をかけてしまった。
「なん、で...」
「...は?」
「なんで止めたのっ?あなたにも生きたくない気持ち、分かるでしょう?」
「...」
私がそういうと、目を見開いたまま黙り込んだ男の人。
ぼそぼそとなにか呟いているが、うまく聞き取れなくて、思わず「え?」と聞き返したら、
「生きたくないなら、死なないといけないのか?」
と訊かれた。
「別にそういうわけじゃないけど、、、生きてたら辛い。だから死にたい。」
「なら家にこいよ」
「え、、、」
どうせ死ぬつもりだったんだろ、と言われて、考えてみた。
どうせ死ぬんだから、最後にこの人を信じてみるのもいいかもしれない。それに、今よりも酷い生活なんて無いはずだから、、、かけてみようかな、、、
「分かった。私、、、あなたの家に行く、、、」
「ん。んじゃ目ぇ瞑って。」
言われた通り目を瞑ると、口に何か布を当てられた。そこでパニクった私は思いっきり息を吸ってしまった。
すると眠くなってきて、そのまま私は意識を失った。
☆真帆side☆
今日は朝からどんよりと曇っていて、あまり外に出たくなかったが、どうしても外せないシゴトが入ったので仕方なく外に出た。その帰り道、歩道橋で綺麗な顔した女が空を見上げて諦めたような笑みを零していた。そして歩道橋の柵に上り、飛び降りようとした。
その横顔があまりに綺麗で、儚くて。
おもわずその腕に手を伸ばしてしまった。
―――ドサッ!
...っいってぇ、、、
俺の体ごと後ろに倒れてしまった。コイツは痛くなかったか、、、?っなんて、こんなこと考えるなんて俺らしくねぇな。
その時女がこっちを振り返った。
女の表情を見て、俺は固まった。
きっと八つ当たりしてくるだろうから怒ったような表情をしていると思ったのに、泣きそうな表情をしている。なんて考えていると、女が話しかけてきた。
「なん、で...」
「...は?」
「なんで止めたのっ?あなたにも生きたくない気持ち、分かるでしょう?」
「...」
こいつ、、、もしかして俺が生きたくないと思っている事を見抜いた?この短時間で?
、、、いやまさかな。どうせ言葉の綾だろ。
なんて考えていたら、どうやら言葉にしていたようで、「え?」と、きき返された。
そこで、ふと疑問に思った事を口にしてみる。
「生きたくないなら、死なないといけないのか?」
そういうと女は、
「別にそういうわけじゃないけど、、、生きてたら辛い。だから死にたい。」
そういう女は、到底死にたいようには見えなかった。どっちかというと、生きたくないから仕方なく...っていう風に見える?
どうしようかと考える間もなく、
「なら家に来いよ」
、、、と言ってしまっていた。
すると女は「え、、、?」
と酷く戸惑った様子できき返してきた。
ま、そうなるよな、俺も見知らぬ奴、ましてや異性にそんなこと言われたらそうなるわ。
どうせ死ぬつもりなんだろ、と言い放つと、少し戸惑った様子で考えて、、、
「分かった。私、、、あなたの家に行く、、、」
と言った女。
流石に信用は出来ない。住所がバレたら都合が悪いから、気絶させるか。
「ん。んじゃ目ぇ瞑って。」
そういうと素直に目を瞑った女。
本来小説ならキスとかするロマンチックなシーンだろうが、おれは布を押し当てた。
彼女は思いっきり息を吸って、気絶した。
綺麗だな、、、額にそっとキスをして、うちの組まで運んだ。
あの日。
『————』
受話器から聞こえた声が、言葉が。
私を奈落へと突き落としていった。
......あの日さえなければな。
そう思いながら見上げた空は曇っていて。
私らしい終わり方だな。と乾いた笑みが零れる。
見慣れた歩道橋から飛び降りる。...はずだった。
なのにぐいっと腕を後ろにひかれて倒れてしまった。
ーーーーーえ。嘘。何が、起こってるの?
私、ようやく解放されると、思っていたのに。いったい誰がこんな事...そう思い振り返って、唖然とした。
ーー綺麗...
作り物かと思うほど綺麗な顔立ち。寸分も狂いがない。
ただ綺麗な瞳は私と同じ「生きる希望がない」人の瞳。
その瞳をみて、おもわず声をかけてしまった。
「なん、で...」
「...は?」
「なんで止めたのっ?あなたにも生きたくない気持ち、分かるでしょう?」
「...」
私がそういうと、目を見開いたまま黙り込んだ男の人。
ぼそぼそとなにか呟いているが、うまく聞き取れなくて、思わず「え?」と聞き返したら、
「生きたくないなら、死なないといけないのか?」
と訊かれた。
「別にそういうわけじゃないけど、、、生きてたら辛い。だから死にたい。」
「なら家にこいよ」
「え、、、」
どうせ死ぬつもりだったんだろ、と言われて、考えてみた。
どうせ死ぬんだから、最後にこの人を信じてみるのもいいかもしれない。それに、今よりも酷い生活なんて無いはずだから、、、かけてみようかな、、、
「分かった。私、、、あなたの家に行く、、、」
「ん。んじゃ目ぇ瞑って。」
言われた通り目を瞑ると、口に何か布を当てられた。そこでパニクった私は思いっきり息を吸ってしまった。
すると眠くなってきて、そのまま私は意識を失った。
☆真帆side☆
今日は朝からどんよりと曇っていて、あまり外に出たくなかったが、どうしても外せないシゴトが入ったので仕方なく外に出た。その帰り道、歩道橋で綺麗な顔した女が空を見上げて諦めたような笑みを零していた。そして歩道橋の柵に上り、飛び降りようとした。
その横顔があまりに綺麗で、儚くて。
おもわずその腕に手を伸ばしてしまった。
―――ドサッ!
...っいってぇ、、、
俺の体ごと後ろに倒れてしまった。コイツは痛くなかったか、、、?っなんて、こんなこと考えるなんて俺らしくねぇな。
その時女がこっちを振り返った。
女の表情を見て、俺は固まった。
きっと八つ当たりしてくるだろうから怒ったような表情をしていると思ったのに、泣きそうな表情をしている。なんて考えていると、女が話しかけてきた。
「なん、で...」
「...は?」
「なんで止めたのっ?あなたにも生きたくない気持ち、分かるでしょう?」
「...」
こいつ、、、もしかして俺が生きたくないと思っている事を見抜いた?この短時間で?
、、、いやまさかな。どうせ言葉の綾だろ。
なんて考えていたら、どうやら言葉にしていたようで、「え?」と、きき返された。
そこで、ふと疑問に思った事を口にしてみる。
「生きたくないなら、死なないといけないのか?」
そういうと女は、
「別にそういうわけじゃないけど、、、生きてたら辛い。だから死にたい。」
そういう女は、到底死にたいようには見えなかった。どっちかというと、生きたくないから仕方なく...っていう風に見える?
どうしようかと考える間もなく、
「なら家に来いよ」
、、、と言ってしまっていた。
すると女は「え、、、?」
と酷く戸惑った様子できき返してきた。
ま、そうなるよな、俺も見知らぬ奴、ましてや異性にそんなこと言われたらそうなるわ。
どうせ死ぬつもりなんだろ、と言い放つと、少し戸惑った様子で考えて、、、
「分かった。私、、、あなたの家に行く、、、」
と言った女。
流石に信用は出来ない。住所がバレたら都合が悪いから、気絶させるか。
「ん。んじゃ目ぇ瞑って。」
そういうと素直に目を瞑った女。
本来小説ならキスとかするロマンチックなシーンだろうが、おれは布を押し当てた。
彼女は思いっきり息を吸って、気絶した。
綺麗だな、、、額にそっとキスをして、うちの組まで運んだ。