『僕と父は今、病室へ来ている。病院関係者に教えられたんだが、お母様が島外の施設に運ばれたとか。お母様の様態はもちろん、奈美の事も心配だ。大丈夫か?』

 晴臣さんが約束を守ってくれた事に感動してしまう。大丈夫かと問われ、口元を覆いつつ何度も顎を落とす。

『朝比奈さんと会ってね、修司君経由で奈美へ繋げて貰おうとしたんだが、上手くいかなかったよ』

「え?」

『とにかく連絡を待っている。このメッセージを聞いたらここへ掛けてくれ、080ーー』

 連絡先が読み上げられるが、書き留めるアクションをとれなかった。