「マコッちゃんとは、その後どうなん?」

「別れたよ。……あれ? その話、前にせぇへんかったっけ?」

「あんたの“別れた”は信じてへんから。別れてはよりを戻してってのを何十回も繰り返しとったからな」

「何十回は言いすぎ。……でも、別れてから1年になるし、もうよりを戻すことはないよ」

「どーやろ。次会うたら戻ってそーやけど!」

「ないない。もうないよ」

マコトとは3年、あの関係を続けてた。

よりを戻してはまた別れての繰り返しばかりで、最後のほうは、私ももうその状態に慣れてしまい、つらいとか感じることもなくなってて、ひとりの時間のほうが楽やと思うようになってた。

次第に「これ以上続けるのはあかんな」と考えるようになって、昨年の5月──付き合った記念日に、別れを切り出した。

別れても、やっぱり連絡が来る日もあった。でも、ずっと無視して、メールも返してなかった。

今年の3月、私の誕生日にもマコトは電話を鳴らしてきた。

公衆電話からかかってきたときに流れるよう設定してた着信音を聴いたとき、切なくて、思わず出てしまった。

けど、私は戻らんと決めてるから、終始、冷たい口調で接してて。マコトは「おめでとう」と言ったあと、気まずそうにしながら電話を切った。

──それからは、もう、電話には出てない。