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「まほちゃん大丈夫か…っ!?」

その晩。

親父は息を切らして家に帰ってきた。

「あぁ、ただの風邪だって」

「響、悪かったな。迎え行ってくれたんだろ?」

「別にいいよ」

学校側は、親父にも連絡したみたいだが、仕事でトラブっていたみたいで今日1日スマホはあまり確認出来ていなかったらしい。

「なんか最近響お兄ちゃんっぽくなったよなぁ。まほちゃんもすっかり響に懐いてさ」

最初の頃はまほの存在を毛嫌いしていた自分が今となっては懐かしい気分だ。

「そういえば弁当も、大きくなったらお兄ちゃんと結婚するからって、朝一生懸命作ってたしなぁ」

まほのことでバタバタしていてすっかり忘れていたがそうだ。

そういえば今日の弁当はあの、‪”‬お兄ちゃん大好き‪”‬弁当だったな。

てか…

親父にまで俺と結婚するとかほざいてたのかよ…!!

「へー。まぁ、中学生なんて誰にでも結婚結婚言う年齢だからな」

「いやー、あれは本気っぽかったぞ。いいじゃないか。まほちゃんと響の結婚式、楽しみだなー」

おいおい…

親父は三波みたいに冗談とは受け取っていないようで、とうとう先の先のことまで口にし出した。

19時過ぎのこと。

親父がおかゆを作ったので、食べるかなと思い恐る恐るまほの部屋に入る。