「お、お兄ちゃん…もしかして、お、起きて、た?」

「いや…、起きてねぇ…今起きたとこ」

平然そのもので答える。

でもまほの顔はみるみるうちに火照っていった。

「べっ、別に……っ、首にキスなんてしてないから!」

そんなもはや、自白のような言葉だけ残して、まほはタタタッ、と忍者のように素早く部屋から走り去って行った。

「…」

俺が寝てるの見計らってあんなことしてきたのか??

「…」

じわじわとよく分かんねぇ感情が波のようにしく押し寄せてきて、

「…っ」

1人残された部屋の中で俺は頭を抱えて悶えた。

…んだよ、あれ。

いくらなんでも

………………………可愛すぎんだろ…


最近、まほは俺にこういうことをするようになった。

前もいきなり、キスせがんで来やがったし…

必死に背伸びをして、「んっ!」と言ってくるまほの顔が脳裏にくっくり焼き付いて離れない。

ーーお兄ちゃん。大きくなったら結婚してっ

ーーいいよ

いや、正直、あぁ答えた時は、‪”‬今だけだろ‪”‬みたいなとこがあった。

まははまだ中1。あんま男と関わったことなくて、たまたま俺という男が近くにいたから、まぁ、懐いた、みたいな感覚に近いんだろうな、と。

でも​───────…そうか。