一晩経ってもまだ根に持っているようだ。

俺の仮病は昔散々怒った癖に「女の子の問題は複雑だからねぇ〜」なんて言って、親父は今朝出勤前にまほの中学校に欠席の電話をしていた。

甘やかしやがって…。

「じゃあちゃんと留守番してろよ?」

「うん!」

「ったく、中学生の癖に一丁前に仮病かよ」

「だって…っ」

「きあらちゃん嫌い、だろ?もう分かった分かった。絶対家から出るなよ?」

「うん!お兄ちゃん何時に帰ってくる?」

「夕方ぐらい」

「分かった!」

「ん」

正直まほを1人この家に残して行くのは危なっかしいが、俺は今日から学校だった。

さっそく6時間授業とか、ダル…。

進級は無事出来たが、正直危ない所だったらしい。

一応親父に高い学費払って貰ってるし留年なんてことになったら、流石に申し訳ない。

2年はそれなりに行っとくか、と思っていた。

「てか俺ら、これで14年同じクラスだな?すごくね?」

昇降口に張り出されたクラス発表の紙を見て、三波が言う。

三波とは保育園から高校までずっと一緒。

保育園で同じクラスになってから1度もクラス替えで離れたことはなかった。

「うわ、今年もかよ」

「なんだよ、嬉しい癖に〜」

「おい、ベタベタすんな」

内心こんな確率ありえないと思っていて、三波が裏で手を回してるんじゃないかって何度疑ったことか。