「…パパにも食べさせてあげたかったなぁ」

「…」

顔こそ笑みを浮かべていたが、寂しそうであることは一目瞭然だった。

そういうこと、言われると…

返答に困るだろ……

「ねぇねぇ…」

「…なんだよ」

「そのくま……触りたい」

女の視線は俺の膝の上にちょこんと乗っかるくたくたくまさんにあった。

「これはだめだ」

「ぷーぷーしたい……」

布団から手を出して、手のひらをグーパーし始めた女。

「……」

ーー((でもまほちゃんあれ、ぷーぷーしてる時すごい嬉しそうだったんだぞ?))

「……」

俺は…、

優しくて、

かっこよくて、

宇宙で1番器が広い男だ。




「​───────​───…1回だけだぞ」



女の手のひらにくたくたくまさんを置いてやった。

女は満足げにそれに力を込める。

ぷー

「へへっ……」

確かにそいつは…、

すごく嬉しそうな顔をしていた。

「この子、男の子?女の子?」

「オスだ」

「そっか〜。分かったっ」

「ん。じゃあ、おこちゃまはさっさと寝ろ」

「うんっ!ねぇねぇ…っ」

「……なんだ」

「お兄ちゃんって、呼んでもいい?」

「……」

思いがけない質問だった。

‪”‬ お 兄 ち ゃ ん ‪”‬

聞き馴染みのない単語が何度も頭の中で反芻する。

「……」

まぁ…、











悪くないか​───────。




「…どうぞ」