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ぽわぽわする。

あぁいう……感じなんだ…っ

頭がとにかくぽわぽわして夢の中にいるみたいだった。

1階に降りて、冷蔵庫を開ける。

ペットボトルの水を取りだして、口に含んだ。

「お兄ちゃんもお水飲むー?」

「ん」

階段を降りてきたお兄ちゃんにペットボトルを渡す。

ごくごく、と出っ張った喉仏が動くのが、男っぽくてついぽー、と見とれる。

素肌と素肌が触れる感覚が今も全身にこびり付いているようで身体の内側からまた熱が溢れそうになる。

「へへっ、やっと手出してもらえたっ。数々の女の子忘れられたっ?」

ごくごくと水分補給するお兄ちゃんに抱きついて尋ねる。

結局赤いブラジャーはあんまり役に立ってないけど……、まぁそれはまた次回ってことで!

「お前な……」

「?」

呆れるような重たいため息が落とされて首を傾げる。

私なんか変なこと言ったかな?

ペットボトルのキャップを締めながらお兄ちゃんがボソッ、と口を開く。

「……お前が初めてなんですけど」

「えっ? なんか言った?」

でもそれは私の耳には入ってこないくらい小さな声だった。