もう二度と……

ーー財前沙奈さんが、先程遺体となって発見されました

あんな絶望を味わいたくないから。

なのに……










沙奈……

「なんでそんな怒るのっ、ぐすんっ、私の話も聞いてよっ!!!」

沙奈…

そうじゃないだろ…

頼むから…、僕の求める言葉を言ってくれよ。

「ごめんなさ​────」

「……もう…いい」

沙奈は……、僕を突き飛ばしたりなんかしない。

絶対しない。

頭が混乱してく。

どこかのネジが外れたみたいに、僕の中の何かが狂う。

得体の知れない恐怖が……、不安が……、

津波のように押し寄せてくる。

どうすればいい?

また、沙奈が奪われそうだよ…?

自分に問い掛けた。

いいの?

このままだと、また…


また​───────…