「悪者さん!!」
えっ。
悪者さんの背後に久音くんがいることに気付いた。
手にはビリビリと電流が走るスタンガンが握られていて、久音くんがやったんだと直ぐに分かる。
驚いて身動き出来ないうちに、私の身体はあっという間に久音くんの腕の中で。
まるで悪者さんを警戒するかのようにがっちりとホールドされてしまっていた。
そんな緊迫感の中。久音くんが口を開く。
「襲撃との報告があったと思ったら…、僕をおびき寄せるためだったんですね」
久音くんのこんなにも低くて抑揚のない声を聞くのは初めてだった。
いつも穏やかな久音くんが……今はすごく怒っているんだ、ってことが伝わってくる。
「久音……っ、お前のことは全部調べさせてもらった」
なんの話……??
目の前で繰り出される2人の会話に全然ついていけない。
でもただ事じゃない空気感に、どんどん不安になっていく。
「久音!!いい加減現実見ろ!!本当は分かってんだろ!? こいつは……」
悪者さんが私に向けて指を指す。
向けられたその指先に、心臓が大きくドクン! と跳ねるのを感じた。
言いかけた言葉の続きを悪者さんはまた何かのトドメをさすかのように紡いだ。
「こいつは沙奈ちゃんじゃない!!」
「……っ」
え……?
空気がピリ、と張り詰めるのを感じて、久音くんを見上げた。
沙奈……ちゃんじゃない?
どういうこと?
そして、今度は久音くんが声を荒げた。
えっ。
悪者さんの背後に久音くんがいることに気付いた。
手にはビリビリと電流が走るスタンガンが握られていて、久音くんがやったんだと直ぐに分かる。
驚いて身動き出来ないうちに、私の身体はあっという間に久音くんの腕の中で。
まるで悪者さんを警戒するかのようにがっちりとホールドされてしまっていた。
そんな緊迫感の中。久音くんが口を開く。
「襲撃との報告があったと思ったら…、僕をおびき寄せるためだったんですね」
久音くんのこんなにも低くて抑揚のない声を聞くのは初めてだった。
いつも穏やかな久音くんが……今はすごく怒っているんだ、ってことが伝わってくる。
「久音……っ、お前のことは全部調べさせてもらった」
なんの話……??
目の前で繰り出される2人の会話に全然ついていけない。
でもただ事じゃない空気感に、どんどん不安になっていく。
「久音!!いい加減現実見ろ!!本当は分かってんだろ!? こいつは……」
悪者さんが私に向けて指を指す。
向けられたその指先に、心臓が大きくドクン! と跳ねるのを感じた。
言いかけた言葉の続きを悪者さんはまた何かのトドメをさすかのように紡いだ。
「こいつは沙奈ちゃんじゃない!!」
「……っ」
え……?
空気がピリ、と張り詰めるのを感じて、久音くんを見上げた。
沙奈……ちゃんじゃない?
どういうこと?
そして、今度は久音くんが声を荒げた。