「記憶って…。まさか久音の奴…」

「まだ憶測の段階だけどな」

三波の手元に視線を移すと、【財前さな】という文字が入力されていた。

検索ボタンを押すと三波は顔を顰め、ヒットしたその記述を読み上げた。

「‪”‬財前沙奈‪”。これ多分久音の妹だ」

「妹…?」

「あぁ…これ」

画面に表示されたのは、真っ赤なランドセルを背負った華奢な女の子。

カメラ目線で、ピースしていた。

「この子が、沙奈って子なのか?」

「多分な。でも…」

続いて表示されたのは、新聞記事だった。

そこに広がる小さな文字に視線を貼り付けた。

「誘拐事件…?」














「どうする? 響」

「……決まってんだろ」


一択しかねぇ……。





「狂乱火を、襲撃する​─────」


どんな事情があったにしろ、知ったこっちゃねぇ。

このまま引いてたまるかよ……

まほは……、

俺のもんだ。

絶対諦めない。


何がなんでも…


……奪い返す。