「おい、響? 聞いてる?」

どうせ…俺絡みだ……。

俺になんか恨みでもあって、まほのこと……

「殺されたり、してないよな…?」

意図せず、ついポロリと口に出していた。

それはずっと……、俺が考えないようにしてた可能性。

自分のものとは思えないほど震えている声に、自分の存在がちっぽけに感じて、情けなくなる。

喧嘩が強くたって、族を率いてたって、女1人守れねぇんじゃ……、意味ねぇよ…………。

三波に背を向けて、手のひらで目元を覆った。

そしてまた1つ。

「三波」

本音が落ちようとしていた。

「俺さ……………」

「はいはい、知ってるって」

「は?」

こともなげに眉を下げながら俺の肩に手を置いた三波は言った。

「……好きなんだろ? もうキスしたの?」

「なんで知ってんだよ……」

「見てたら分かる。意外とロリコンなんだなー。響って」

「うるせぇ」

殺されてなんてない。絶対生きてる。

強く、確信でもあるかのようにそう言う三波に、今ばっかりはどうしようもなく励まされた。