憂鬱な木曜日がやってきた。
「礼侍さん、お邪魔しまーす!」
朝イチ、元気にやってきたのは、
婚約者の、森山爽歌さん。
年齢は、礼侍より1つ年下の26歳。
森山財閥のお嬢様で、
めちゃくちゃ美人だけど元気系。
「あぁ、爽歌さん」
「あっ、手土産、カフェオレどーぞ」
「.........いつもありがとう、爽歌さん」
ずっと、私が知らなかっただけで、
礼侍と、森山さんの関係も、幼なじみだ。
フランクに名前で呼び合って、
隠さなくてもいい、オープンな関係の2人。
(.........っ、羨ましいな、2人、)
2人の姿をジッと見つめていると。
----------プルルル
と、礼侍のデスクの上の電話が鳴った。