「わ、出た!石沢まおりじゃん」

「やっべー、コネ入社のやつじゃねーか!」



会社が近づくたび、そう言われているのは。



私、石沢まおり(いしざわまおり)のこと。



嫌味のように言われるは、
会社に入ってからずっとだから、慣れた。



だけど........................



「...............まおり、大丈夫?」

「.........っ、気にしちゃだめ、だもん、」



気にしちゃだめって分かってるから。



気にしないようにして、親友で同期の、
永井乙音(ながいおとね)に返事をして。



「まおり...............、」

「ほんと、大丈夫だから今日も頑張ろうね!」



心配する乙音に、
わざとらしい笑顔を向けて社内へ向かった。