その言葉通り、そこには1人の男性があお向けで倒れていた。

男性のかたわらには黒い傘が転がっていた。
あたしたちは男性のそばに歩み寄った。

「死んでるな」

男性の脈をとった達郎がつぶやいた。紀子さんがひっ、と小さな叫び声をあげた。

「清水さんというのはこの人のことですか?」

あたしの問い掛けに対し、紀子さんはおそるおそるうなずいた。