達郎もそれを感じたのか、それ以上質問しようとしなかった。

「あの、そろそろいいですか?」

数秒の沈黙が続いた後に、恵理さんが遠慮がちにあたしを見た。

確かにいつまでもこんなカッコでいたら湯冷めしてしまう。

白い肌からは血管が透けて見えそうだ。

「いいわよね?」

あたしが訊くと、達郎は無言でうなずいた。

あたしたちは恵理さんに礼を言うと別荘をあとにした。