「ちょっと達郎、何する気?」

達郎はあたしの声を無視して遺体のスーツのポケットを探りはじめた。

「こら、達郎!」

「後頭部に傷があった。たぶんそれが致命傷になったんだな」

「あら、そうなの…ってバカ!」

あたしの剣幕に紀子さんは戸惑いの表情を浮かべている。

「なんだよレミ。警察が遺体を調べても変じゃないだろ」

「なに言ってんの達郎!あんたは警察官じゃないでしょ!」