初日の今日は、朝から大変な思いをした。
さあ登校しようとリセが扉を開けてみれば、フォルクローレ伯爵家の門前に再び王家の馬車が停まっていたのだから。
馬車の中には、制服姿のクルトが待ち構えていた。迎えに来たのだ、世話役のリセを。
「リセ、行くぞ」
当たり前のようにリセを呼ぶクルトを目の当たりにして、彼女は悟った。これは留学中……毎日迎えに来るのだろうと。
「……おはようございますクルト様」
「ああ、おはよう」
色々と物申したいところをぐっと我慢して、リセは馬車へと乗り込んだ。そうしてクルトと二人、馬車に揺られ学園へと登校したわけだが。
馬車が学園へと到着し、扉を開けた瞬間。リセは、その場にいた生徒達の視線を一身に集めることとなってしまったのだ。
それもそのはず……リセがクルトと共に乗ってきたのは、しっかりと紋章の入ったエスメラルダ王家の馬車だった。皆、何事かと思ったのだろう。中から王族が出てくるのかと、身構えていたに違いない。
しかし御者が恭しく扉を開けてみれば、中から出てきたのは見慣れた伯爵令嬢……二年のリセ・フォルクローレだった。そしてあとに続くのは見慣れぬ赤髪男子。
周りを見渡せば、皆「わけが分からない」といった顔をしていた。リセだって、皆に事情を説明して回りたい気分でいっぱいで……
さあ登校しようとリセが扉を開けてみれば、フォルクローレ伯爵家の門前に再び王家の馬車が停まっていたのだから。
馬車の中には、制服姿のクルトが待ち構えていた。迎えに来たのだ、世話役のリセを。
「リセ、行くぞ」
当たり前のようにリセを呼ぶクルトを目の当たりにして、彼女は悟った。これは留学中……毎日迎えに来るのだろうと。
「……おはようございますクルト様」
「ああ、おはよう」
色々と物申したいところをぐっと我慢して、リセは馬車へと乗り込んだ。そうしてクルトと二人、馬車に揺られ学園へと登校したわけだが。
馬車が学園へと到着し、扉を開けた瞬間。リセは、その場にいた生徒達の視線を一身に集めることとなってしまったのだ。
それもそのはず……リセがクルトと共に乗ってきたのは、しっかりと紋章の入ったエスメラルダ王家の馬車だった。皆、何事かと思ったのだろう。中から王族が出てくるのかと、身構えていたに違いない。
しかし御者が恭しく扉を開けてみれば、中から出てきたのは見慣れた伯爵令嬢……二年のリセ・フォルクローレだった。そしてあとに続くのは見慣れぬ赤髪男子。
周りを見渡せば、皆「わけが分からない」といった顔をしていた。リセだって、皆に事情を説明して回りたい気分でいっぱいで……