「リセ、次の講義は何だ」
「リセ、あの教師の担当教科は」
「リセ、ノートを見せてくれ」
リセ、リセ、リセ……
朝から、もう何十回呼ばれ続けたことだろう……
クルトは予定通り留学生として、リセと同じ王立学園へと入学した。
同じ二学年、同じクラス。そしてまさかの、席は隣。世話役として指名されたのだから、当たり前といえば当たり前なのであろうか。
大国ディアマンテの王子を一目見ようと、廊下には多くの人だかりが出来ていた。生徒達の視線の先には、赤い髪の美しいクルト。……と、隣に座る何の変哲もない伯爵令嬢。
事情を知る者以外は、不思議に思って当然だろう。なぜ隣国の王子ともあろう人が、このように地味な令嬢を侍らせているのかと……
「リセ、あの教師の担当教科は」
「リセ、ノートを見せてくれ」
リセ、リセ、リセ……
朝から、もう何十回呼ばれ続けたことだろう……
クルトは予定通り留学生として、リセと同じ王立学園へと入学した。
同じ二学年、同じクラス。そしてまさかの、席は隣。世話役として指名されたのだから、当たり前といえば当たり前なのであろうか。
大国ディアマンテの王子を一目見ようと、廊下には多くの人だかりが出来ていた。生徒達の視線の先には、赤い髪の美しいクルト。……と、隣に座る何の変哲もない伯爵令嬢。
事情を知る者以外は、不思議に思って当然だろう。なぜ隣国の王子ともあろう人が、このように地味な令嬢を侍らせているのかと……