「わ、私だけど……」



彼女の気迫に圧倒されながらも、おずおずと片手を上げると、



「今すぐ校門の所に行って! 一葉さんが待ってる!」



「かっ……、一葉さんが?」



「うん。校門の前に停まってる車の中にいるって」



なるほど。クラスの子たちが、窓から身を乗り出して騒いでいたのは、校門前に停まっている一葉さんの車を目撃したからというわけか……。



あの人、私の学校に出向いてまで何をしに来たんだろう?



「一葉さん、何か言ってた?」



「本人じゃなくて、棗さんと大河さんからの伝言なんだけど、『落とし物を届けに来た』って言ってたよ」



棗に大河?



あの2人までここに来てんの⁉



ってか、その落とし物ってもしかして、私がなくしたペンダントかも……。