「なにー? 車がどうかした?」



「見て! ほら、校門前に停まってるあの……」



「どれどれ……って、え⁉ マジ⁉」



「やべぇ! 本物じゃん!」



「な、何で? どうしてうちの学校の前にいるの……?」



窓をのぞき込むクラスメイトたちの動揺に、今まさに帰ろうとしていた子たちも気になったのか、次から次へと窓から身を乗り出した。



紗奈も好奇心に駆られたように、「あたしもーっ!」 と押し合いへし合いしている人ごみの中へ飛び込んでいく。