「日和ーっ、今からクレープ食べに行こっ」



帰りの号令が終わった直後。



荷物を持った紗奈が、私の席へやって来る。



「えーっと、それって駅前の?」



「うん! 今日は全品半額セールなんだって!」



「本当に? いいよ。行こっか」



急いで椅子から立ち上がって、机の上に置いていた通学バッグの持ち手をつかんだその時。



「あれ? 日和?」



突然、紗奈が不思議そうに、私の首元をじっと見つめてきた。