「行ってきます!」



私は急いでベッドから降りると、近くに置いてあった自分の荷物を持って、ドアに向かって走り出した。



「あっ、日和。待って……!」



背後から、一葉さんが慌てたように引き止めてきたけれど。



振り返る余裕もなくて、私はそのまま秘密基地を後にした。



それにしても、まさか一葉さんというか、闇夜の帝王とお近づきになるなんて……。



偶然とはいえ、すごい人と知り合ってしまったな……。



こんなこと、紗奈どころか誰にも言えない。



……なんなら、platinumでノアの身代わりを務めていたこと以上に特別な秘密かも。



というわけで、変にそわそわしっぱなしの私は、今日1日授業にまったく集中出来ず、気付けば放課後を迎えていた。