「日和ちゃーん、一葉ーっ! こっちこっちー!」



待ち合わせ場所に指定された空港のロータリーにたどり着くと、理音さんがこっちに向かって大きく手を振っていた。



カップルやサラリーマン、家族連れなどさまざまな人でごった返す場所にも関わらず、ド派手なシャツを着て、大きなサングラスをかけた理音さんはかなり目立ってて、もはやそこにいるだけで目印と化していた。



そんな彼の近くで、「おはようございます。今日から3日間よろしくお願いしますね」と、大河がお辞儀をする傍ら。



「おせーよ、2人とも〜」と棗がトランクにもたれながら私たちをはやし立て、いたずらっ子みたいにニッと笑った。