「日和との電話が切れた時、体の半分を失うんじゃないかってぐらい気が動転した。運転中も気が気じゃなくて、次こそ本当に日和が僕の元に現れないんじゃないかって、ずっと考えていたんだ」



「…………」



「でも、きみが無事に戻ってきて、僕の傍で話をしていると思うと、本当に嬉しくて――……」



一葉さんが言葉を止めて、私に向かって長い両腕を伸ばしてきた。



気付けばあっという間に、私は彼の腕の中にいて、『もう離さない』とばかりにぎゅっと強く抱きしめられていた。



「一葉さんっ……!」



思わず声を上げるものの、一葉さんは私の首筋に顔を埋めている。



「いいんですか? 私とこんなことをしても……?」