理音さんの安全運転で、私たち一行は無事に一葉さんが住むタワーマンションにたどり着いた。



「せっかくみんな揃ってるし、もう遅いから、寝泊まりしなよ」



という一葉さんのお言葉に甘えて、今夜は５人でこの部屋で過ごすことになったんだ。



広々とした空間を活かした、白と黒を基調とした一葉さんらしいお洒落なリビングに案内された後。



軽く傷の手当てをして、帰る途中で買い込んだファーストフードで食事をして、お風呂に入る順番をじゃんけんで決めた。



一葉さんがお風呂に行っている間。理音さんたちと談笑した後、トイレを借りようと廊下に出た時。



急に背後からトントンと肩を叩かれた。



「何……って、一葉さん⁉」



振り返ると、いつの間にかお風呂から上がったであろう一葉さんがそこにいた。



「な……、何ですか……⁉」



まだ乾き切ってなくて水分でつやつやした髪と、Tシャツの襟ぐりからのぞく鎖骨が色っぽくて、ドキッと心臓が跳ね上がってしまう。




顔全体がかーっと赤くなる私に対して、いつもどおり落ち着いた一葉さんは、「あのね」と私にこそっと耳打ちした。



「お風呂から上がったら、僕の部屋に来て欲しいんだけど。いい？」