「あの、一葉さん」



屋敷の外に出た後、私は顔を上げて一葉さんに声をかけた。



「ん?」



「何でノアが如月の彼女だって知ってたんですか?」



さっきからずっと気になってたんだ。



『私が如月の彼女の身代わりだった』とは言ったけど、『本命彼女はノア』だということを、一葉さんに教えた覚えはまったくない。