「どけ! 通行の邪魔なんだよ‼」



「一葉さーん、ここを通ってください!」



「棗っ……、大河っ……!」



思ったとおり。



2階のフロアには棗と大河がいて、私たちにつかみかかろうとする不良たちを食い止めてくれていた。



「2人も助けに来てくれたんだ……」



「俺は面白半分で来ただけだぞ」



「何言ってんだよ。相当日和さんを心配してたくせに」



つっけんどんな態度を取る棗を、大河が苦笑いで茶々を入れる。