聞き覚えのある明るい声が聞こえた方に顔を向けると、私と一葉さんの前にいた理音さんがてへっと舌を出した。



まさか理音さんも屋敷にいるとは思っていなかったけど。




絵本の中の王子様みたいな理音さんが、人間を二人も投げ飛ばすほどの怪力の持ち主だったなんて……と、ギャップにおどろかされる。



ていうか、理音さんがここに来ているということは、もしかして――……?



「一葉、早く日和ちゃんと外に出て! あとは僕がなんとかするから」



「わかった」



一葉さんが理音さんにうなずいて、すぐ近くにあった階段を駆け下りていくと、