「日和っ‼」



開けっ放しのドアから、勢いよく総長室に飛び込んできたのは。



「一葉さん‼」



――そのまさかの、一葉さんだった。



どうして一葉さんが、こんな所にいるんだろう。



platinumの屋敷に連れ戻されたことなんて教えてないのに。



ノアという婚約者がいるのに――……。



「やっと見つけた……」



私の存在に気付くなり、ほっとする一葉さんの顔を見たとたん。



あまりにも信じられなくておどろきはしたけれど。



それ以上に、一葉さんが私を助けに来てくれたことが嬉しくて、目の奥がじんわりと熱くなって、涙があふれ出してしまいそうだった。