『如月、いるの?』



突然、背後から甘ったるい声が聞こえた。



明らかに女の子の声だと思しきそれに反射的に振り返ったその瞬間。



『えっ……?』



『あ……、あたしにそっくり……!』



現れたのは、生き別れの双子の姉妹がいたのかと一瞬でも思ってしまうほど、顔も髪型も背格好も私にそっくりな女の子だった。



唯一違うところをあげるなら、着用している学校の制服のデザインぐらいだ。



『…………』



『ねえ如月、この子誰なの⁉』



如月は、混乱する私たち二人の様子を楽しむかのようにクスクス笑うと、女の子の傍に移動した。



『ノア、紹介するね。この子は桜坂日和。今日からノアの身代わりになってくれる女の子だよ』



身代わり…………?