この時の私は、すでにplatinumが銀楽街トップの暴走族だということだけは知っていた。



同じクラスの女子の中に彼らの追っかけみたいな子が何人かいて、夜な夜な国道に行っては、platinumの連中がバイクで暴走してるところをこっそり見学に行った。



――という話を、何度か小耳に挟んだことがあるからだ。



まさか、今にも消えてしまいそうなほど儚げな美青年の如月が、この街トップの暴走族のリーダーを務めているなんて。



しかも、自分が暴走族の総長の彼女になってしまっただなんて。



にわかには信じがたい新事実に、頭の処理が追い付かないでいると――……。