「一葉……、さん……?」



私の後ろにいたのは、一葉さんだった。



清潔感のある真っ白な半袖ワイシャツに黒のスラックスという、黒曜の夏服に身を包んでいる一葉さんは、私と目が合うなり「よかった。ここにいた」と、ほっと胸をなで下ろす。



この2週間、連絡の1つも私に寄こしてこなかったどころか。



その姿すら私の前に見せることのなかった彼との再会に、頭の整理が追い付かなくて、思わずその場から動けなくなってしまった。



「私のこと、探してたんですか……?」



あまりにも突然の再会に、どぎまぎしながらたずねる私に、一葉さんは「ああ」とうなずいた。



「きみと二人きりで、直接話がしたかったからね」