きっと、一葉さんのことで悩んでいるのが顔に出てしまったんだろう。



思えばここ2週間、ずっと気分が沈んでいたし、食事も睡眠もろくにとれていなかった。



そんな体も心もボロボロな私を、紗奈が心配するのも無理はないと思う。



でも、いくら紗奈が私と仲良くしてくれているからといって、今抱えている悩みを打ち明けるのには勇気がいる。



「単純に疲れてるだけだよ。気にしないで」



これ以上紗奈に心配をかけたくないのと、深入りして欲しくないのとで、私はなんとか愛想笑いを浮かべた。



「そっか……、わかった。何かあったら、あたしに相談してね!」



紗奈も紗奈で、私の気持ちを察してくれたんだろう。



これ以上首を突っ込んでくることなく、笑顔でサラッと流してくれたことに心の底から感謝した。