そう思うと、ズキズキとした痛みが私の胸の中を駆けめぐった。



暑くて喉が渇いているのに、目の前に置いてあるジュースを一口でも飲む気にもなれない。



呼吸すら上手くできないまま、黙り込んでうつむいていると。



「まーでも、一葉のことだからな。きっと断ってると思うよ」



「えっ? そうなの?」



はた、と顔を上げた私に、棗は「ああ」とうなずいた。