一葉さんと一緒に車から降りた場所はなんと、百貨店が建ち並ぶ通りにそびえ立つ高級ブランドの路面店。



どう考えても、私のような普通の高校生が来ていいような場所じゃない。



それに、私がいくら頑張って背伸びしても、このブランドの服が似合わないというか。



服に着られているみたいになりそうで、余計に気が引けるんだけど……。



ってか、一葉さんがお金出すの⁉︎



なんかもう、お詫びっていうより特別な日のプレゼントみたいになってるじゃん。



逆に申し訳なさ過ぎる。



「あの……、服を揃えるにしても、私は別にこの店じゃなくていいんで……」



私はたじたじとして後ずさりをした。



でも、そのまま逃げるとでも思われたのか。



一葉さんにガシッと腕をつかまれて、あれよあれよという間に店の中へ引きずり込まれてしまった。