しっ、と私の唇に人差し指を立てる一葉さん。



どことなく意味ありげな真剣な表情と目配せに、『あーこれ、何か企んでるな』とすぐに見当がついた。



私を抱きしめたのも、きっと彼女たちが自分の害悪ファンだと認知してて、あえてそうしてるのかもしれない。



正直なところ、さっきから心臓の鼓動がドクドクうるさいけど、今は一葉さんに従った方がよさそうだ。



「ねえ、日和。さっきぶたれたのってここ?」



一葉さんの指先が、私のじんじんする頬にふれる。



彼の指先はひんやりとしていて冷たいのに、ふれられたところがゆっくりと熱を帯びていく。



「はい……」



私がうなずくと、一葉さんは害悪ファン5人組のうち、真ん中にいる子を見やった。