澄八は歯で親指を噛んで血を滲ませて琴禰の眼前に突き出した。

覚悟を決めて、同じように親指を噛んで血を出させる。

 そして血の滲んだ親指を突き合わせ術を発動させた。

 血の契約。それは、命を懸けて契約を守ることを約束させる術だ。

 もしも契約を違反するようなことがあれば、その者の意思に関係なく契約は発動される。

 血の契約は交わされた。大巫女様含め、祓魔の人達はほっと安堵した。

 琴禰はとんでもないことをやってしまったのではないかと、終わってから急に怖くなってきた。

そんな琴禰に、澄八は勝ち誇ったかのような笑みで命じる。

「さあ、琴禰。あやかし王を殺して来い」