煉魁の問いに、ハッとした澄八がすぐさま答える。

「はい。血の契約は意思に反応して効力を発揮します。琴禰が僕を殺そうとした時も、意思に反応し血が固まりました」

「つまりは、逆にいうと意思が絡まらなければ血の契約は発動されないのだな。琴禰が自分から命を絶とうとすれば血の契約がそれを制するが、殺され力尽きて死ぬ場合にはそれは発動されない」

「そういうことです」

 煉魁は、初めて出会った時に琴禰が死にかけていた時のことと、殺してくださいと懇願された時のことを思い出した。

 血の契約は、あくまで当人同士の契約。外的な力は関係しない。

「ふむ、大体のことはわかった。ゆえに、お前はもう用無しだ」

 煉魁が手をかざすと、澄八の体は見えない紐で拘束されたかのように動けなくなり、倒れ込んだ。

 それと同時に結界は解かれ、逃げ出すことができなかった村人たちは四方八方に駆け出した。

「何をした!」

 澄八が叫ぶと、煉魁は冷酷な眼差しを向ける。