「こんな所では……」

「では、場所を変えればいいのだな?」

琴禰は息も絶え絶えにコクリと頷いた。

 煉魁は琴禰を横抱きにして立ち上がると、愉悦の笑みを浮かべた。

「いいだろう。他の男のことなんて忘れさせるくらい、琴禰の体に俺を刻み込んでやる」

 そう言うと煉魁は琴禰を横抱きにしたまま、周りに見せつけるように宮中内を歩き、宮殿へと連れて行った。

 そして寝台に琴禰を横たわらせると、体の上に覆いかぶさり、嫉妬で燃えた目で悪戯な笑みを携えて言った。

「俺なしではいられない体にしてやる。覚悟しろよ?」

 いつも以上に激しく琴禰を求める煉魁。

 それが、琴禰を強烈に想う嫉妬心からきていることは明らかだった。

(私はすでに煉魁様のことしか考えられないのに)

 伝えようにも、煉魁の熱情が激しくて、嬌声しか上げられない。

 その日は日中から部屋に籠りきり、二人が出てくることはなかった。