澄八のことを聞きにきたはずなのに、言いだす機会を失ってしまった。
けれど、琴禰と二人きりでこうしていられるのは何より楽しい。
「出来ましたよ」
黒椀に青菜と共に美しく盛り付けられた鯛の煮つけと、カラっと揚がった山菜の天ぷら。赤味噌汁に小さな土鍋で炊いた白米が御膳に並べられた。
どれも手間暇がかかり時間を要しそうなのに、あっという間に出来上がったので煉魁は驚いた。
「凄いな」
「お口に合えば宜しいのですが」
箸を取り、一口食べると、あまりの美味しさに目を見張った。
「美味い!」
思わず大きな声が出る。お世辞ではなく、本当にびっくりするくらい美味しかった。
「ああ、良かった。あまりお待たせするのもあれなので、品数は少ないですが、ちゃんとお時間をいただければ、いつも煉魁様が召し上がっているような御膳を準備したいと思います」
「何でもできるのだな、琴禰は」
「いえ、祓魔にいた頃は、目が悪いし体も思うように動かず、鈍くさくていつも怒られてばかりでした」
けれど、琴禰と二人きりでこうしていられるのは何より楽しい。
「出来ましたよ」
黒椀に青菜と共に美しく盛り付けられた鯛の煮つけと、カラっと揚がった山菜の天ぷら。赤味噌汁に小さな土鍋で炊いた白米が御膳に並べられた。
どれも手間暇がかかり時間を要しそうなのに、あっという間に出来上がったので煉魁は驚いた。
「凄いな」
「お口に合えば宜しいのですが」
箸を取り、一口食べると、あまりの美味しさに目を見張った。
「美味い!」
思わず大きな声が出る。お世辞ではなく、本当にびっくりするくらい美味しかった。
「ああ、良かった。あまりお待たせするのもあれなので、品数は少ないですが、ちゃんとお時間をいただければ、いつも煉魁様が召し上がっているような御膳を準備したいと思います」
「何でもできるのだな、琴禰は」
「いえ、祓魔にいた頃は、目が悪いし体も思うように動かず、鈍くさくていつも怒られてばかりでした」