一方、琴禰の過去を聞き出そうとしていたはずの煉魁は、澄八が琴禰の初恋の人だという衝撃の事実を知ってしまったので、うっかり本来の趣旨を忘れていた。
(あいつが、琴禰の初恋の人だと⁉ 俺は信じないぞ。だが、もしも本当だったとしたら……めちゃくちゃ羨ましい!)
思いっきり嫉妬していた。
これは琴禰に問いたださなければいけない案件だと判断した煉魁は、そのまま真っ直ぐ宮殿へ向かった。
「琴禰!」
スパァーンと大きな音を立てて妻戸を開けた煉魁だったが、室内には誰もいなかった。
「奥様なら調理場へ行かれましたよ?」
通りかかりの侍女が言った。
煉魁は振り向き、不機嫌そうな表情で侍女に聞く。
「調理場? なぜ」
「知らなかったのですか? 最近奥様は自分の分は自分で調理し召し上がっているのですよ」
琴禰は王妃となったのだから、何もせず優雅に過ごしていればいいのに、掃除に庭園の手入れに、今度は料理にと忙しない。
一体どうしてそんなことをしているのだと思って、煉魁は調理場に行ってみることにした。
(あいつが、琴禰の初恋の人だと⁉ 俺は信じないぞ。だが、もしも本当だったとしたら……めちゃくちゃ羨ましい!)
思いっきり嫉妬していた。
これは琴禰に問いたださなければいけない案件だと判断した煉魁は、そのまま真っ直ぐ宮殿へ向かった。
「琴禰!」
スパァーンと大きな音を立てて妻戸を開けた煉魁だったが、室内には誰もいなかった。
「奥様なら調理場へ行かれましたよ?」
通りかかりの侍女が言った。
煉魁は振り向き、不機嫌そうな表情で侍女に聞く。
「調理場? なぜ」
「知らなかったのですか? 最近奥様は自分の分は自分で調理し召し上がっているのですよ」
琴禰は王妃となったのだから、何もせず優雅に過ごしていればいいのに、掃除に庭園の手入れに、今度は料理にと忙しない。
一体どうしてそんなことをしているのだと思って、煉魁は調理場に行ってみることにした。