「では、グループを作って下さい。席は適当に」

 自分のふがいなさに落胆していると、教壇の方から担任の先生の声が聞こえ、教室内がざわめき出した。

 グループ? そう思って黒板を見た。

 文化祭の出しものを決める時間である事を思い出すと、生徒達がうごめくように大移動を始めた。

 え、え、と思っているうちに続々とグループが形成されていく。

 教室の真ん中らへんからあたりを見回すと、すでに一人なのはわたしだけであった。

 ところどころに三人以上のグループが結成されつつある。

 ちょっと、こんな真ん中に取り残されたら、と必死にあたりを見回すと、教室の左前の隅っこに二人の女子がいるのが目に入った。

 一人は背がちっちゃくてメガネをかけた女子だった。

 あれ、えーと……春野さん? だったっけ? もう一人は小野さん。

 そう思っているうちにも、教室のざわめきが収まりつつあるのに気づき、なりふりかまわず二人の方へ突進した。

「あ、あ、あの、よ、よかったら入れてもらえないっ!?」

「えっ……い、いいですけど……」

 春野さん達は得体の知れない生物に遭遇したような目でわたしを見た。