着いたのは小さな公園。
仲の良かった幼稚園の頃、よく二人で遊んだ場所だ。
きっと、リオは来てくれると、信じていた。
数分後、5時を知らせる鐘が鳴った。
「…」
黙っていると
「おい!」
と、上から聞きなれた声が。
ふと上を見上げると、目の前にはリオの姿が。
「リオ!」
「んだよ、急に呼び出しやがって」
なんとなく、なんとなくだけど、リオがこの場所を覚えていてくれたのが、昔と変わらない声だったのが無性に嬉しくて、涙が出た。
「おま、ワカ?んだよ、急に泣き出して。おい!」
「っ、ごめ…なんか、ホッとして、さ」
私は座っていた公園のベンチから立ち上がってリオのほうを向く。
「あの、ね、わたし、ね…」
額に汗がつたう。
言葉が、上手く出ない…
なんて言おう…
「私、ね、リオのことが、嫌いですっ!」
言い終わってリオのほうをチラッと見る。
「お前なんだよ、んなこと言うために呼び出したのかよ」
「今日、4月1日よ」
「はぁ?」
「今日はエイプリルフール…よ、」