「テキトーに座っといて」



そう言って私は水を取りに行くためキッチンへと向かう



「こっち」




低くて甘すぎる声が後ろから聞こえると同時に腕を引っ張られた




瞬く間に膝の上へと誘導される




そのまま首元に顔を埋められた




「いい匂いするー」




無気力すぎる声が心地いい




私は後ろを振り向いて唇を重ねた




最初は角度を変えてじっくりと




徐々に舌を絡ませていく




キス、上手いんだな




唇を重ねながら頭の隅でぼんやりと考える




瞬間痺れたような痛みが走った




「んぐっ、」




思いっきり舌を噛まれたのだ




思わず涙目になり睨みつける




「他のこと考えてたでしょ
今はおれのことだけにして?」




顔を覗き込みながら棒読みでそう伝えてくる




一体いくつの女の子たちにこの言葉を吐いてきたのか




私は返事をする代わりにキスをねだった