玄関をあけるとそこにはもうほんとに顔面国宝の一条がいた



面食いの私には心臓に悪い





生気のない切れ目にすっととおった鼻筋、口元は妖艶に弧を描いている




無造作に下ろされている髪すらも一条の味方だ





彼はわたしのことなんてお構いなしに視線は胸へ注がれている




初対面で失礼だな





「今日はよろしくね」




どうにか平然を装って挨拶をする




一条はんー、とテキトーに返事をしたあと




ぐっと腰を屈めてきて耳元で囁いた




「よろしく、
  経験人数星の数で有名な七瀬遙ちゃん?」




やってるまじでやってるこの人




心臓を鷲掴みされたみたいだ




男慣れしてるはずなのに、おかしいな




「他の女の子ならイチコロだね笑
 早くベッド行こ?」




さりげなく上目遣いで袖を引っ張る




私は微かにうなづいた一条を引っ張って寝室へと向かった