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 凪紗の話。


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 久しぶりに学校に行った日。



 財布を盗まれたクラスメートが。
 謝った、凪紗に。

 財布を盗まれた。
 そのことは自作自演だった、と。


 そうした理由は。
 凪紗に対しての嫉妬心。
 そこからくるものだったらしい。










 凪紗は。
『財布を盗まれたクラスメート』
 そう呼ぶのも、あれだから。
『彼女』
 そう呼ぶ。
 そう言った。







 戻る、話の続きに。





 凪紗は。
 決まっていた。
 文化祭のクラスでやる演劇で主役をすることが。

 将来、役者志望の彼女にとって。
 それは屈辱でしかなかった。


 思った、彼女は。
 悪くなる、凪紗の評判が。
 そうすれば凪紗は主役から降ろされる。

 凪紗が財布を盗んだことにしよう。
 そう思ったのは軽い気持ちだった。



 だけど。
 凪紗が何日か学校を休んでいる。
 その間に彼女の気持ちは罪悪感へと変化していった。

 凪紗が学校を休んでいる。
 それは自分のせいなのではないか。


 彼女は。
 自分が犯した罪。
 できなくなった、抱えることが。

 そうして。
 彼女は。
 謝った、深々と。
 凪紗に。