七月の初旬。

 今日は土曜日。


 今、会っている。
 空澄(あすみ)、凪紗、心詞(みこと)、響基と。



 凪紗、心詞、響基は。
 卒業した、『心が呼吸できる世界』を。
 それ以来、会うのは初めて。


 空澄は同じ学校。
 それから……恋人同士。

 なので。
 会っている、ほぼ毎日。



「久しぶりだな。
 元気だったか」


 カフェに入り。
 している、お茶を。

 そのとき。
 凪紗が私たちのことを順番に見ながらそう言った。


「久しぶりって、
 まだそこまで日にちは経ってないだろ」


 空澄は淡々としている様子。


「いいだろ、久しぶりの感覚は人それぞれなんだからさ。
 それだけお前らに会えたことが嬉しいってことだよ」


「確かに、このメンバーと会えるのは嬉しいな」


 凪紗の言葉に。
 空澄も納得していた。

 私、心詞、響基も。
「そうだね、嬉しいね」
 そう言いながら頷いた。



 そのあと。
 私たち五人は話を始めた。

 久しぶりに学校に行った日のこと。
 それから『その後』のこと。


 話す順番は。
 凪紗、心詞、響基、空澄、私の順になった。