真碧(まみ)さん』
彩珠(あじゅ)さん』


 私が真碧さんたちのことを。
 真碧さんたちが私のことを。

 これが。
 普段の名前の呼び方。



 だけど。
 真碧さん、加織さん、桃萌(ともえ)さん、純菜さんは。
 呼び合っている、呼び捨てで。





 確かに。
 呼び方が仲の良さを決める物差しではない。


 ……ただ。
 私にだけ他人行儀というか。
 ……疎外感……を感じるというか……。



 本当なら。
 何も思うことはない。
 疎外感を感じても。

 こんな偽りだらけの関係の真碧さんたちなのだから。


 だけど。

 それも。
 違う、何か。
 そのような気がして。







 わからない、難しいことは。


 だけど。
 いいわけはない、このままで。

 それは。
 感じている、とても。



「体調は大丈夫。ありがとう。
 ……あのね、放課後、話したいことがあるんだけど、
 みんな時間は大丈夫?」


 まずは。
 確保する、時間を。

 話をする、真碧さんたちに。
 そのための。


 真碧さんたちは。
 驚いている、少しだけ。
「どうしたの?」
 そう言って。

 だけど。
 言ってくれた、すぐに。
「大丈夫だよ、時間」
 そういうふうに。





 放課後。
 言おうとしている、真碧さんたちに。

 そのことは。
 これからの真碧さんたちとの関係。
 それを大きく左右するものとなるだろう。



 だけど。
 決めたから。


 真碧さん、加織さん、桃萌さん、純菜さん。

 彼女たちとの関係が、どんな結果になろうと。
 後悔はしない、と。