「でも、嫌がらせされたらちゃんと相談してね?私がやっつけるから!」
「……ありがとう。持つべきものは友達だよ」
「へへ」
もうすでに、実帆ちゃんの存在に助けられている。
……いつか、本当のこと言えたらいいな。
「あ、そういえば…!」
急にぱっと目を輝かせた実帆ちゃん。
どうやら何かを思い出したらしい。
「なんかね、来月か再来月?もしくはもっと先かもしれないけど……姉妹校?の人たちが来るんだって」
「姉妹校……?」
そんなのあったんだ……。
へえ、と思わず口にしていた。
はじめて聞く話。
私は目をぱちくりしながら、実帆ちゃんの話に耳を傾ける。
「びっくりだよねー。私、姉妹校があるなんて知らなかったもん。……それでね、これ重要なことなんだけど、」
「……」
声の大きさがちいさくなる。
いきなり彼女が真剣な顔つきに変わったので、ごくりと喉を鳴らす。
緊張した面もちになって、体を前のめりにしながら次の言葉を待った。
「ーーすっごいイケメンが来るって噂!」
「……、へ?」
そういうこと?
すこん、と頭に星が降った。
私の周りで張りつめていた空気がパチンと弾ける。